ウソ★スキ
あたしはそれがものすごく恥ずかしくて、

先輩にこっそり電話して、

「お願いだから、少し離れた場所で待っていて!」

ってお願いした。


だけど、先輩は、優しいんだけどやっぱり強引で。


「いいじゃん、みんなに美夕ちゃんの彼氏が俺だってこと、分かってもらえて」

なんて、

嬉しいんだか困ってしまうんだか分からないことを平然と言った。


だから、あたしはその日から、針のむしろで。

毎日、みんなの羨望が混じった冷ややかな視線を体中に受けながら、


先輩の待つ正門へと歩くことになった……。




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