ウソ★スキ
先輩はいつもあたしを、家の近くの公園まで送ってくれる。

そして、その公園に2人で寄って、少し話をしたあとで帰って行く。


夕方の公園は、近所の子供達でいっぱいで、

座っていてもボールが飛んできたり、冷やかされたり、

全然落ち着いて話なんて出来ないんだけどね……。



だけどその日は、少し時間も遅くて、雨が降りそうで、

たまたま公園には誰もいなかった。



あたしたちは、ベンチに座っていた。


ふと話が途切れたところで、先輩がさりげなくあたしの肩を抱いてくる。


「今日、どうしたの?」

先輩が、あたしの頬に軽くキスをしてきた。

「え……?」

その言葉にも、いきなりのキスにも、ドキドキしてしまうあたし。


「美夕ちゃん、なんだかいい香りがする」


そう言って、先輩はあたしの唇に、ゆっくりとキスをしてきた。







< 129 / 667 >

この作品をシェア

pagetop