ウソ★スキ
そんなあたしの言葉に、先輩も

「あっ、ゴメン!」

って、慌ててその手をあたしから離す。

先輩は、決して無理強いしなかった。



……なんか、気まずい空気があたしたちの間に流れた。


「ごめんね……なんだか俺、止まらなくなって」

ばつが悪そうに頭をかきながら、先輩は何度も謝ってくれた。

「いえ……」

あたしも、恥ずかしくて先輩の顔がまともに見れなくて。


「今日はもう、帰ろうか……」


そう切り出したのは、先輩だった。







< 131 / 667 >

この作品をシェア

pagetop