ウソ★スキ
そんな沈黙を破ったのはソラだった。

「美夕、あのとき言ったことは、どこまで本気だったんだ?」

「え?」

「俺のことどう思ってるのか……1回でいいから、本心聞かせて」


そう言ってあたしを見つめるソラは、ものすごく真剣な表情をしていた。


「一度でいいから。……それで忘れろっていうんなら、忘れるから」




……あたしの、本心?



そんなの決まってる。

あたし、すごく嫌な子で。

さっきまで徹先輩と一緒にいて、幸せで、

先輩の隣にいられるのが居心地いいって思っていたのに……


ソラが目の前にいる、それだけで

息するのも苦しいくらい胸が締め付けられて、

幸せだったあたしの気持ちを一瞬でどこかに消し去ってしまって……




あたしは、それくらい、ソラが好きで…………








< 139 / 667 >

この作品をシェア

pagetop