ウソ★スキ
「あたしは……ソラが好きだよ」

だけど、あたしの言葉は、そこで止まったりしなかった。




「……っていうのはウソだけどね」





だって、どうしても言えないよ。


あたしのこの気持ち。

もし認めてしまったら、その先に待ってるのはキラとの三角関係。

そんなことで2人の関係がこじれてしまったら?

2人はそれでも、これからもずっと、この家で2人で生きていかないといけないのに。


……ううん。

その前に。

ソラがキラよりもあたしを選ぶなんて、そんなことは万が一にもあり得ない。




あたしにとって、この恋は辛すぎる。

進んでも、退いても、

待っているのは地獄なんだから……


やっぱり、認めたくないよ。




「ウソでよかったら何度でも言うよ? あたし、ソラがスキ、ソラがスキ・・・ソラがスキ!」

なんだかもう、最後には泣き声になっていた。

自分でも何言ってるか、わけが分からなかった。



「やめろ!」


それを聞いていたソラが、大きな声を上げて立ち上がった。
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