ウソ★スキ
次の瞬間、あたしはソラに押し倒されていた。

背中から床に倒れる。

はずみで後頭部を打ったみたいで、すこしだけ頭がクラクラッときた。


「美夕の意気地なし!」


ソラは、あたしをじっと見下ろしたまま、何もしなかった。

ただじっと見つめ合っていると、次第にその目が寂しそうな表情に変わっていく。



……あたし、こんなソラの表情なんて、見たくなかったのに。



あたしは、精一杯強がって笑った。


「だって、あたしには先輩がいるから!」




その言葉に、ソラはピクっと体を引きつらせた。








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