ウソ★スキ
バスは予想していたとおり、座席がほとんど埋まった状態で、

立っている人も数人いた。


あたしはバスに乗り込むと、

いつものように入り口付近の手すりにつかまった。

手すりはジメジメしていて、それを握るあたしの手はあっという間にベタついてしまう。


やだ、気持ち悪い……

あたしは手すりを握っているのがイヤで、足を踏ん張って立っていることにした。




そのとき。

あたしの背後から、あたしを呼ぶ声がした。


「美夕!」


振り返ると、そこには。


2人掛けの座席に1人で座っている、ソラの姿があった。






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