ウソ★スキ
それから。


あたしとソラは、家までの道のりを

ゆっくり、

ゆっくりと、

並んで歩いた。



あたしは歩きながら、ずっと泣きっぱなしで、


ソラはそんなあたしに何度も

「もう泣くな」

って言った。


その声は柔らかくて、

今まであたしの胸を突き刺していた棘はどこかに消えてしまっていた。



……今なら、言える。

ううん。

言わないと、いけないんだ。



あたしは勇気を振り絞って、ソラに声をかけた。



「ねぇ、ソラ」

「なに?」


「この前……ひどいこと言ってゴメンね」



あたしがそう言うと、ソラは黙り込んでしまった。








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