ウソ★スキ
遅れがちなあたしに合わせて、キラはゆっくり歩いてくれた。

時折楽しそうにハナウタを歌いながら。



「美夕、大丈夫?」

「うん……ありがと。なんだか頭が痛くて」

「大丈夫-?保健室行く?」

「ううん、まだ平気。しんどくなったら行くよ」


心配そうにあたしを気遣ってくれるキラは、いつものキラで。

やっぱり、ソラの言う『全部気づいてる』っていうのは考えすぎじゃないのかな……。


それは願望が半分。

あたしはそう思うことにした。




「そうだー、美夕、聞いてくれる?」

学校について、玄関で靴を履き替えながら、キラはクスリと笑った。


「昨日ね、ソラってば帰りが遅くなってね-」




その言葉にドキッとして、あたしは手に持っていた靴を落としそうになった。







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