ウソ★スキ
それでも、ちょっと人目を気にしたのか、

キラはあたしの顔に自分の顔を近づけて、小声で言った。


「あのね。あたしとソラのこと、先輩に話してもいいかなーって思うんだ」


その言葉に、大きな声を上げたのはあたしのほうだった。


「えぇっ!?」


驚いてキラを見ると、キラはいたって真面目な顔をしてあたしを見つめていた。

ソラは……

あたしが大きな声を上げたことに対して不愉快そうな反応をしただけで、キラの言葉は聞こえていなかったみたいだ……。


こんな会話、目の前の座席に座っている学生に聞かれないか心配だ。

あたしはできるだけ小さな声でキラに尋ねた。

「キラ、それはマズくない?」

「え? どうして?」

「だって……」

キラは笑って言った。



「大丈夫だよ、先輩なら」



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