ウソ★スキ
「だって、先輩って口堅そうだし、なにより美夕の素敵な彼氏なんだもん!」

話しながら、キラは降車ボタンを押した。

キラの話に驚くあまり全然気付かなかったけど、バスはもう、あたしたちが降りるバス停の手前まで来ていた。


「だからね、美夕」


バスがスピードを落として、あたしたちの降りるバス停に止まる。

「先輩と、ケンカしたりしないでね。ずっと仲良しでいてね」

「え……?」

「美夕次第なんだよ、先輩がこの秘密を守ってくれるかどうかは」


そう言うと、キラは。

いつものようにソラに元気よく

「またね、ソラ!」

って手を振ると、軽い足取りで出口へと歩き始めた。



そんなキラの後を追いかけるあたしは、

一瞬ソラとしっかり目が合ってしまって。


イヤだな。

あたしが困った顔してるとこ、見られちゃったみたいだ…………



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