ウソ★スキ
そのまま先輩にキラとソラの関係を切り出せないまま、

ただ時間だけが過ぎて、

気付くと、旅行まであと残り3日になってしまっていた。



「美夕、今日こそは先輩に言ってよね!」

キラは毎日のようにあたしに催促した。


そして今日も。


誰もいなくなった放課後の教室で、

キラはバスの時間まで、先輩が迎えに来るのを待つあたしの話し相手になってくれていた。

「そんなに言いにくいの?」

「……うん」

あたしは、キラに「ゴメンね」って言いながら、

「なかなか、話を切り出すタイミングが難しいんだよ…」

って言葉を濁すことしかできなくて。


「ソラは、なんて言ってるの?」

「私がしたいようにしていいよ、って。ソラも先輩のことは信頼してるから」

キラはあたしの前の席に腰掛けると、話を続けた。





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