ウソ★スキ
「まぁ、美夕が先輩に言いにくいのも、仕方ないかなぁ。それに、わざわざ言わなくても、一緒に旅行に行けば分かっちゃうしねー」

「……それは、2人の態度次第じゃない?」

「あっ、美夕ったら、自分たちだけ楽しむつもりー?」

「別に、そういうわけじゃないけど……」

「私たちだって、たまには家の外で思いっきり『恋人同士』したいんだから」



キラは、机に肘を突いて身を乗り出すと、あたしに顔を近づけて言った。

「あたしはソラと、美夕は先輩と一緒の部屋だからね。お互い楽しもうよっ」



「……え?」


……先輩と同じ部屋?

あたしが驚いてキラの顔を見ると、キラはその大きな瞳を輝かせて笑っていた。


「そうだよ! 美夕、頑張ってね」



……頑張るって、何を?


そう言いかけたけど、

そんなこと言わなくても分かってるじゃん、って自己解決して、



あたしは楽しそうに話し続けるキラに苦笑いを返した。











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