ウソ★スキ
なんだか落ち着かなくて、
何度も何度も荷物の出し入れを繰り返して、
ようやくお風呂に入った時には、もう日が変わってしまっていた。
脱衣所で濡れた体を拭きながら、洗面所の大きなミラーに自分の裸を映す。
……あたし、おかしいところないかな?
チビでガリガリで、全然色気のない貧相な身体。
これを明日、先輩に見られるんだよね……。
あたしは鏡に視線を向けたまま、自分の腰に手をやった。
今ではもう分からなくなってしまったけれど、そこにかつてあったのは、泣きながら刻んだ「ソラ」っていう痛々しい傷。
それはよく見れば、ほんの少しだけ、しかも部分的に、白い傷跡になっている。
だけどそれが元々どんな傷だったのかなんて、それを実際に見た私とソラ以外には絶対に分かるわけがなくて……。
……この傷は、まるであたしの気持ちみたいだ。
傷が消えるまでは、誰とも恋なんてできないと思っていたけど。
うん。
もう、大丈夫。
あたしはやっと、ソラから卒業できるんだ──。
鏡の自分をじっと見つめていると、お風呂あがりの身体から出る湯気で鏡はだんだん曇っていって、
そんな鏡の向こうに、私の姿はぼやけて消えてしまった。
何度も何度も荷物の出し入れを繰り返して、
ようやくお風呂に入った時には、もう日が変わってしまっていた。
脱衣所で濡れた体を拭きながら、洗面所の大きなミラーに自分の裸を映す。
……あたし、おかしいところないかな?
チビでガリガリで、全然色気のない貧相な身体。
これを明日、先輩に見られるんだよね……。
あたしは鏡に視線を向けたまま、自分の腰に手をやった。
今ではもう分からなくなってしまったけれど、そこにかつてあったのは、泣きながら刻んだ「ソラ」っていう痛々しい傷。
それはよく見れば、ほんの少しだけ、しかも部分的に、白い傷跡になっている。
だけどそれが元々どんな傷だったのかなんて、それを実際に見た私とソラ以外には絶対に分かるわけがなくて……。
……この傷は、まるであたしの気持ちみたいだ。
傷が消えるまでは、誰とも恋なんてできないと思っていたけど。
うん。
もう、大丈夫。
あたしはやっと、ソラから卒業できるんだ──。
鏡の自分をじっと見つめていると、お風呂あがりの身体から出る湯気で鏡はだんだん曇っていって、
そんな鏡の向こうに、私の姿はぼやけて消えてしまった。