ウソ★スキ
ソラから電話がかかってくるなんて、めったにない事だった。

ケー番もメアドも教え合ってはいたけど、あたしたちには2人だけの話題なんて何もなくて。


間には、いつもキラがいた。


だから連絡を取るといえば、いつもキラ絡み。

キラの具合が悪いから学校休むとか、

キラの元気がないんだけど昼間何かあったの? とか。


ソラが、純粋にあたしに用事があって連絡をくれたことなんて、一度もなかった。

それはもちろん、あたしにだって同じことが言えるんだけど……。


だから、ソラからの着信を知って、真っ先に思ったのはこれだった。


──キラに何かあったの?


もしかして病気になったとか?

明日の旅行にもいけなくなっちゃったとか?



あたしは、まだクラクラする頭を必死に働かせながら、通話ボタンを押した。



「もしもし、ソラ?」



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