ウソ★スキ
……だって、初めての旅行なんだもん。

あれもこれも持ってないと、不安になっちゃって。

確かに、バスタオルは2枚も必要なかったのかもしれないけど……。


「じゃあ、行こうか?」


先輩はまだ笑いながら、あたしのバッグを持ってくれた。


そして、

「うわっ、重いなー」

って楽しそうに言いながら、それを原チャリの足元に置いた。


もう。
先輩ってば、笑いすぎだよ……。


「スミマセン……」

なんだか申し訳なくなったあたしが俯いてそう呟くと、

「謝らなくていいのに」

先輩は、いつものようにあたしを抱きかかえて原チャリの後ろに座らせてくれた。


「普段どおり、いこうよ」


そう言ってすぐにメットをかぶった先輩の耳は、すごく赤くて。



……あれ?

もしかして、先輩もドキドキしてくれてるのかな?




そんなことを思ってしまった。


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