ウソ★スキ
「ほら、見て」


先輩に言われて外に目をやると、ちょうど、停車したバスからキラとソラが降りてくるところだった。


先に降りてきたのは、2人分の荷物を持ったソラ。

ソラは、ステップを降りるとすぐに振り返って、後に続くキラに手を差し伸べた。

キラはその腕に飛びつくように、ステップの一番上からジャンプして降りて。


「相変わらずだなー」

そんな2人を微笑ましそうに見る先輩……。


「いつ見ても、姉弟にしておくのがもったいないくらい仲がいいよね」


そんな、何も知らない先輩の独り言に、あたしの緊張はさらに高まった。



そうなんだよ、先輩。

あの2人は、ただの姉弟じゃないんだ……。




外の2人は、まだあたしたちに気付いていなくて、腕を組んだまま周りをきょろきょろ見回している。


「行こうか」

そう言って、待合室を出ようとする先輩。



──あたしは、立ち止まったまま、思い切って先輩に話を切り出した。


「先輩……聞いてください!」




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