ウソ★スキ


それから。


あたしは、どんな言葉で先輩にそのことを伝えたのか、よく覚えていない。


そんなにたくさんの言葉じゃなかったような気がするし、

回りくどい言い回しも使わなかったと思う。


多分、

「あの2人、実は付き合ってるんです」

「でも、あたしたち以外は誰も知らない秘密だから、他言しないで下さい」

そんな、シンプルな台詞だった気がする。



そして。

先輩から、どんな反応が返ってくるのか不安で仕方なかったあたしだけど、

先輩は、思っていたほど驚いたりうろたえたりしなかった。


それどころか、冷静すぎるくらい冷静で、


「そうか……」

って納得して黙り込んでしまって。



あたしたちは、しばらくそのまま、外の2人の様子を眺め続けた。






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