ウソ★スキ
30分の長い待ち時間を経て次に乗った郊外行きの電車は、土曜日だと言うのに半分以上が空席だった。
あたしたちはここにきて、ようやく座席に座ることができた。
古びた造りの電車の、4人で向かい合って座るクロスシート。
まず窓側にソラが座ると、すぐその後をキラが追い、その隣に座った。
あたしは先輩に「どうぞ」って窓側を譲って、一番最後にその通路側──キラの目の前──に腰を下ろした。
「意外と人が少ないんだね」
「そうですねー。でも、こうしてゆっくり座れたから、よかったですよね!」
先輩とキラは、お互い笑顔で、そんな当たり障りのない会話を続けていた。
あたしは、2人の顔を交互に見比べながら、少し引きつった笑顔で相槌を打つのが精一杯で。
……何なんだろう、この緊張感。
楽しい会話をしているはずなのに、あたしの手はどんどん汗で濡れ、喉はカラカラになってきて。
ソラはというと、
ずっと窓の外を眺めていて、あたしたちの会話に参加しようとしなかった。
あたしたちはここにきて、ようやく座席に座ることができた。
古びた造りの電車の、4人で向かい合って座るクロスシート。
まず窓側にソラが座ると、すぐその後をキラが追い、その隣に座った。
あたしは先輩に「どうぞ」って窓側を譲って、一番最後にその通路側──キラの目の前──に腰を下ろした。
「意外と人が少ないんだね」
「そうですねー。でも、こうしてゆっくり座れたから、よかったですよね!」
先輩とキラは、お互い笑顔で、そんな当たり障りのない会話を続けていた。
あたしは、2人の顔を交互に見比べながら、少し引きつった笑顔で相槌を打つのが精一杯で。
……何なんだろう、この緊張感。
楽しい会話をしているはずなのに、あたしの手はどんどん汗で濡れ、喉はカラカラになってきて。
ソラはというと、
ずっと窓の外を眺めていて、あたしたちの会話に参加しようとしなかった。