ウソ★スキ
あたしとキラはそのままデッキに向かい合って座った。


「大丈夫だよ、キラ。……ソラはきっと、先輩の前でどういう態度をとっていいか分からないだけだから」

そう言ったのは、あたし。

「照れくさかったり、先輩の反応が怖かったり……複雑なんだと思うよ?」


キラは笑って、あたしの話にじっと耳を傾けていた。


「まだ旅行は始まったばかりだから、ね。すぐにソラも落ち着くよ」

「……そうかもね。あーあ! 私は先輩に知ってもらって、すごく嬉しいのに!」

「こういうときは、オンナの方が度胸あるんじゃない?」

「オンナっていうより、私?」

「うーんっ……」


デッキに、あたしたちの笑い声が響く。



「美夕、ありがとう」


かしこまってそう言うキラに、あたしは黙って首を横に振った。



「美夕には助けてもらってばかりで……。私、美夕がいないとダメみたい。だからこれからも、ずっと友達でいてね?」







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