ウソ★スキ
その日の夜は、傷つけた跡が痛んで寝付けなかった。

冷たく冷やしたタオルをぎゅっと押し当てて、

熱く腫れ上がったその箇所を冷やす。


あっという間にタオルは熱くなっていった。



だけど、あたしは満足していた。



一生・・・とまではいかなくても、当分は残りそうなこの傷。

それはあたしがはじめてソラへの気持ちを態度に出した証だった。



あたしはきっと、この傷が消えるまで、

ソラのことを忘れられないだろう。



明日から、

あたしは、

ソラをだますために。



あたしは

ソラを「好き」になる・・・





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