ウソ★スキ
「ねえ、美夕」
キラがあたしの手を取って言う。
「……頑張ってね、今日」
「イヤだなぁ、頑張るなんて言い方……」
苦笑いを返すあたしの手を、キラは更にぎゅっと強く握りしめた。
「分かってるでしょ? ……怖いかも知れないけど、先輩なら優しいし、大丈夫だよ」
「……うん……」
「先輩に任せて、ね?」
あたしは何て答えていいのか分からなくて、ただ黙って頷いた。
なんだかキラが話していることが、ちっとも頭の中に入ってこなくて。
まるで他人事のようで……。
「それに、先輩……私たちのこと知ってるんだよね?」
「うん……知ってるよ」
「だったら、これからは美夕と先輩にはずっと仲良くしてもらわないと! 私達の秘密を守るためにも、ね」
キラはあたしの手を握ったまま、立ち上がった。
そして、
「さあ、そろそろ戻ろう! きっと2人とも心配してるよ」
って、歩き始めた。
こんなときだけ、自分たちのことを「秘密」扱いするなんて……。
「キラ、ずるいよ……」
あたしは目の前を歩くキラの背中に向かってそう言ったけれど、
席に戻るまで、キラは一度もあたしのほうを振り返ろうとはしなかった。
キラがあたしの手を取って言う。
「……頑張ってね、今日」
「イヤだなぁ、頑張るなんて言い方……」
苦笑いを返すあたしの手を、キラは更にぎゅっと強く握りしめた。
「分かってるでしょ? ……怖いかも知れないけど、先輩なら優しいし、大丈夫だよ」
「……うん……」
「先輩に任せて、ね?」
あたしは何て答えていいのか分からなくて、ただ黙って頷いた。
なんだかキラが話していることが、ちっとも頭の中に入ってこなくて。
まるで他人事のようで……。
「それに、先輩……私たちのこと知ってるんだよね?」
「うん……知ってるよ」
「だったら、これからは美夕と先輩にはずっと仲良くしてもらわないと! 私達の秘密を守るためにも、ね」
キラはあたしの手を握ったまま、立ち上がった。
そして、
「さあ、そろそろ戻ろう! きっと2人とも心配してるよ」
って、歩き始めた。
こんなときだけ、自分たちのことを「秘密」扱いするなんて……。
「キラ、ずるいよ……」
あたしは目の前を歩くキラの背中に向かってそう言ったけれど、
席に戻るまで、キラは一度もあたしのほうを振り返ろうとはしなかった。