ウソ★スキ
その静けさに気がついて顔を上げると、目の前のキラとソラは目をつぶって居眠りをしていた。
「あ……」
2人とも寝ちゃったんだ……。
腕組みをして軽く目をつぶっていた先輩は、あたしに気がつくと
「静かに」
って人差し指を自分の唇の前に当てる。
そして、その手をそのままあたしの手に伸ばして、上からぎゅっと包み込むように握った。
目の前に2人がいるのに……
あたしがその手を握り返そうかどうか躊躇っていると、
「2人とも寝てるから、大丈夫だよ」
って先輩は笑った。
──耳に聞こえてくるのは、ガタンゴトンという電車の音だけ。
「寝顔もよく似てるよね、この2人」
一度先輩がそう呟いただけで、あたしたちの間に会話はなかった。
どうしてだろう。
落ち着くようで、何故か落ち着かない……
そんな時間がどれくらいたったんだろう。
突然、先輩のケータイが鳴った。
「苑からだ」
別に気にしたわけじゃないのに、先輩は私にディスプレイを見せて相手が苑ちゃんだと教えてくれる。
先輩は、
「外で話したあと、飲み物買ってくるから」
とあたしの耳元でささやくと、
目の前の2人を起こさないように通話ボタンを押しながら、席を立った。
「あ……」
2人とも寝ちゃったんだ……。
腕組みをして軽く目をつぶっていた先輩は、あたしに気がつくと
「静かに」
って人差し指を自分の唇の前に当てる。
そして、その手をそのままあたしの手に伸ばして、上からぎゅっと包み込むように握った。
目の前に2人がいるのに……
あたしがその手を握り返そうかどうか躊躇っていると、
「2人とも寝てるから、大丈夫だよ」
って先輩は笑った。
──耳に聞こえてくるのは、ガタンゴトンという電車の音だけ。
「寝顔もよく似てるよね、この2人」
一度先輩がそう呟いただけで、あたしたちの間に会話はなかった。
どうしてだろう。
落ち着くようで、何故か落ち着かない……
そんな時間がどれくらいたったんだろう。
突然、先輩のケータイが鳴った。
「苑からだ」
別に気にしたわけじゃないのに、先輩は私にディスプレイを見せて相手が苑ちゃんだと教えてくれる。
先輩は、
「外で話したあと、飲み物買ってくるから」
とあたしの耳元でささやくと、
目の前の2人を起こさないように通話ボタンを押しながら、席を立った。