ウソ★スキ
そのときちょうど信号が青に変わって、周りで信号待ちをしていた通行人が一斉に動き始めた。
「……ゴメンね、こんなとこで」
あたしはずっと俯いていたけれど、先輩がばつが悪そうに頭をかいている様子はなんとなく分かった。
「こんな人前で……恥ずかしいよね」
あたしは何も言えなくて、ただ小さく頷いた。
先輩のキス。
……どうして?
……どうしてあたし、逃げちゃったんだろう?
……ただ恥ずかしかっただけ?
「信号が変わっちゃう前に、渡ろうか?」
先輩はそう言うと、あたしの手をぎゅっと握って横断歩道へ足を踏み出す。
あたしは黙ったまま、先輩の半歩後ろを追いかけた。
こうして。
横断歩道を渡り終えるまで、
ううん、それからもしばらく、
あたしたちは無言のまま歩き続けた。
「……ゴメンね、こんなとこで」
あたしはずっと俯いていたけれど、先輩がばつが悪そうに頭をかいている様子はなんとなく分かった。
「こんな人前で……恥ずかしいよね」
あたしは何も言えなくて、ただ小さく頷いた。
先輩のキス。
……どうして?
……どうしてあたし、逃げちゃったんだろう?
……ただ恥ずかしかっただけ?
「信号が変わっちゃう前に、渡ろうか?」
先輩はそう言うと、あたしの手をぎゅっと握って横断歩道へ足を踏み出す。
あたしは黙ったまま、先輩の半歩後ろを追いかけた。
こうして。
横断歩道を渡り終えるまで、
ううん、それからもしばらく、
あたしたちは無言のまま歩き続けた。