ウソ★スキ
だけど、ソラから返ってきた言葉は意外なものだった。


「──美夕、何言ってるの?」

その口調は、どこか驚いているようで、怒っているようで。



「俺とキラの……そういう関係は、とっくに終わってるんだけど」



ソラは、前髪をかきあげながらため息をつくと、更に続けた。



「前にも話したことあるだろ? 美夕の顔を思い出して、もう、できないんだよ」



ソラは言葉を失ったあたしに、ゆっくりと一歩近づいた。



「こういう時、もし俺たちが姉弟じゃなかったら、『別れた』って言葉を使うんだろうな」





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