ウソ★スキ
「先輩たちは、一番奥の部屋を使って? 私とソラはここ」
そう言ってあたしたちの目の前にある、一番手前の部屋を目で示すキラ。
キラの声は弾んでいて、長旅の疲れなんて全然感じられなかった。
「離れている方がいいでしょ? お互い、物音を気にしなくて済むし」
そんなキラの言葉に、あたしは顔を上げていられなくなって俯いてしまう。
自分でも、一瞬で顔が赤くなったのが分かった。
──あたし、無理だ。
ソラがこんなに近くにいるのに、先輩と同じ部屋に泊まるなんて。
絶対、無理だ。
あたしの視線の先にあるソラの足が、目の前の部屋へ一歩、また一歩と近づいていく。
「よし、解散しよう」
先輩の言葉に、輪になる形で立ち止まっていたあたしたちはそれぞれの部屋へ向かって再び動き始めた。
「ほら、美夕も早く行って! 荷物を置いたら下に降りて、一緒に食事の手伝いしようね」
「う、うん……」
下に降りたときに、「やっぱり今日は1人でいたい」ってキラに相談してみようか。
だけどそんなことを言ったら、キラはどんな顔をするだろう──。
──どうしよう。
なかなか足が進まない。
そう言ってあたしたちの目の前にある、一番手前の部屋を目で示すキラ。
キラの声は弾んでいて、長旅の疲れなんて全然感じられなかった。
「離れている方がいいでしょ? お互い、物音を気にしなくて済むし」
そんなキラの言葉に、あたしは顔を上げていられなくなって俯いてしまう。
自分でも、一瞬で顔が赤くなったのが分かった。
──あたし、無理だ。
ソラがこんなに近くにいるのに、先輩と同じ部屋に泊まるなんて。
絶対、無理だ。
あたしの視線の先にあるソラの足が、目の前の部屋へ一歩、また一歩と近づいていく。
「よし、解散しよう」
先輩の言葉に、輪になる形で立ち止まっていたあたしたちはそれぞれの部屋へ向かって再び動き始めた。
「ほら、美夕も早く行って! 荷物を置いたら下に降りて、一緒に食事の手伝いしようね」
「う、うん……」
下に降りたときに、「やっぱり今日は1人でいたい」ってキラに相談してみようか。
だけどそんなことを言ったら、キラはどんな顔をするだろう──。
──どうしよう。
なかなか足が進まない。