ウソ★スキ
部屋に向かって廊下を歩く間、あたしと先輩は何も言葉を交わさなかった。


歩いている途中、背後からキラたちの部屋のドアが閉まる音が聞こえてきた。

続いて、ガチャリと鍵のかけられる音──。


そんな音ひとつに、あたしの胸はぎゅっと強く締めつけられた。


──ソラとキラが、鍵のかかった部屋に2人っきりでいる。

そんな、今までは当たり前だったことが、今はどうしようもなく気になって。苦しくて。


「美夕ちゃん、入らないの?」

先輩が部屋のドアを開けて待ってくれていたことにも、気付かずにいた。


「……入りますっ」

なんだか、勢いをつけないといつまでも部屋に入れない気がして。

あたしは小走りに、部屋の中へと入っていった。





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