ウソ★スキ
『時間に余裕があれば、滝に寄ってからペンションに行こう』
列車の中では、そんなことを4人で楽しく話したのに……。
バスを下りてからここに着くまでの道。
車の往来が途切れると、すぐ傍を流れる川の水音がはっきり聞こえてきたけれど、「滝に行こう」なんて口に出す人は誰もいなかった。
ただ、黙ってペンションへの道を歩き続けた。
疲れていたから、余裕がなかったのかも知れない。
だけど、無言の理由は、決してそれだけはないような気がしていた。
キラと2人でお皿にサラダを盛り付けていると、奥さんがあたしたちの横に並んで言った。
「美夕ちゃんは、ソラくんの彼女なの?」
「え!?」
「それで、徹くんがキラちゃんの彼……ってとこかな?」
その言葉に、あたしたちは即座に反応した。
「違うよ!」
「違います!」
あたしとキラの言葉は、ほぼ同時で。
自家製ドレッシングをサラダにかけていた奥さんは驚いてその手を止めてしまった。
キラが、サラダの入ったボールをたたきつけるように置く。
「先輩は、美夕と付き合ってるの!」
その目は冷たく凍りついてた。
列車の中では、そんなことを4人で楽しく話したのに……。
バスを下りてからここに着くまでの道。
車の往来が途切れると、すぐ傍を流れる川の水音がはっきり聞こえてきたけれど、「滝に行こう」なんて口に出す人は誰もいなかった。
ただ、黙ってペンションへの道を歩き続けた。
疲れていたから、余裕がなかったのかも知れない。
だけど、無言の理由は、決してそれだけはないような気がしていた。
キラと2人でお皿にサラダを盛り付けていると、奥さんがあたしたちの横に並んで言った。
「美夕ちゃんは、ソラくんの彼女なの?」
「え!?」
「それで、徹くんがキラちゃんの彼……ってとこかな?」
その言葉に、あたしたちは即座に反応した。
「違うよ!」
「違います!」
あたしとキラの言葉は、ほぼ同時で。
自家製ドレッシングをサラダにかけていた奥さんは驚いてその手を止めてしまった。
キラが、サラダの入ったボールをたたきつけるように置く。
「先輩は、美夕と付き合ってるの!」
その目は冷たく凍りついてた。