ウソ★スキ
──だけどそれも一瞬のこと。
リビングのソファに座っていた旦那さんが驚いてこっちを向いた時には、キラはすっかり元通りの表情に戻っていた。
「いやだなぁ。あんなに素敵な先輩、私にはもったいないよ」
「あら……そうだったの?」
奥さんはすこしばつが悪そうな顔をした。
「そうだよ! 今回の宿泊もね、美夕と先輩にもーっと仲良くなって欲しくて、あたしとソラで計画したんだ」
「まぁ……。私ったら変なこと言っちゃって……ごめんなさいね、美夕ちゃん」
私は慌てて首を横に振った。
あたしと先輩の「カップル」と、
キラとソラの「姉弟」。
双子の本当の関係を知らなければ、今のキラの説明に疑いを持つことはない。
奥さんはすっかり納得した様子で、止まっていた手を再び動かし始めた。
「美夕ちゃん、こっちお願いしていい?」
そう言って渡されたのは、小鍋とお玉。
鍋のふたを開けると、中に入っているホワイトソースから柔らかな湯気が上がってきた。
あたし、ソラの彼女に見えたのかな……?
4人分のお皿に並んだ魚料理にホワイトソースをかけながら、あたしはそっとリビングにいるソラの背中を盗み見た。
リビングのソファに座っていた旦那さんが驚いてこっちを向いた時には、キラはすっかり元通りの表情に戻っていた。
「いやだなぁ。あんなに素敵な先輩、私にはもったいないよ」
「あら……そうだったの?」
奥さんはすこしばつが悪そうな顔をした。
「そうだよ! 今回の宿泊もね、美夕と先輩にもーっと仲良くなって欲しくて、あたしとソラで計画したんだ」
「まぁ……。私ったら変なこと言っちゃって……ごめんなさいね、美夕ちゃん」
私は慌てて首を横に振った。
あたしと先輩の「カップル」と、
キラとソラの「姉弟」。
双子の本当の関係を知らなければ、今のキラの説明に疑いを持つことはない。
奥さんはすっかり納得した様子で、止まっていた手を再び動かし始めた。
「美夕ちゃん、こっちお願いしていい?」
そう言って渡されたのは、小鍋とお玉。
鍋のふたを開けると、中に入っているホワイトソースから柔らかな湯気が上がってきた。
あたし、ソラの彼女に見えたのかな……?
4人分のお皿に並んだ魚料理にホワイトソースをかけながら、あたしはそっとリビングにいるソラの背中を盗み見た。