ウソ★スキ
あたし、一体何を望んでいるんだろう?
これから、どうしたいんだろう?
ソラの彼女になることなんて、今まで一度も考えたことがなかった。
だって、あたしの恋は決して実ることのない片想い。
誰にも打ち明けないまま、このまま終わりを迎える秘密の恋。
そう信じていたから……。
あたし、これからどうしたらいいんだろう?
キラからソラを奪って、
キラや先輩をいっぱいいっぱい傷つけて、
ソラを自分だけのものにしたいのかな……?
あたしはソラから目をそらした。
違う。
そうじゃない。
あたしはただ、自分の気持ちに素直になりたいんだ。
「ソラが好き」
ウソじゃない、作り物でもない、その一言をソラに伝えたいだけ。
そこから先に何があるかなんて、まだ何も考えられない……
──だけど。
「出来上がりー!」
あたしの隣で、奥さんと完成した料理を前に拍手をしているキラ。
キラは、あたしのそんな願いさえも許してはくれない気がした。