ウソ★スキ


──クスクス、って。

キラは、クスクスって笑いながら、そう言った。




「……知ってた……の?」

「いやだー。もしかして美夕、本気で私にバレてないなんて思ってたの?」

早く次のお皿ちょうだい、なんて言いながら。
キラは続けた。

「フフフ。残念でしたー。バレバレだったよ」

その言葉に、あたしの顔は一気に赤くなった。

「何がおかしいの!?」

キラの胸元に、お皿を突きつけるあたし。

「あたしだって……ずっと、苦しかったんだから……。キラに言いたくても、言い出せなくて……」

キラはあたしの話を聞きながら、そのお皿を黙って受け取った。

「だけど、あたしじゃどう頑張ってもキラにはかなわないし……あきらめようと思ったけど、あきらめられなくて……どうしようも出来なくて……」


悔しいのか、恥ずかしいのか。

あたしの目から、次々に涙が零れ落ちる。

あたしはそれをキラに見られたくなくて、キラから顔を背けた。


キラはそんなあたしに、

「ひとりで悲劇のヒロインぶっちゃって」

吐き出すように、こんな言葉を投げつけた。



「ばっかみたい」






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