ウソ★スキ
「今、ソラは頑張ってるんだー」
静かな口調で。
穏やかな表情で。
「美夕が幸せになるんならって、美夕のこと、必死にあきらめようとしているの。……大丈夫よ、ソラのことは私がちゃーんと支えるから。だから美夕はもう余計なことをしないで?」
キラの目は確かにあたしに向けられているはずなのに、決してその視線はあたしのそれとは交わらない。
「明日の朝になったら、きっとみんな笑ってる。だから、ね──」
キラは、どこか遠くを見ていた。
だけど、あたしには分からない。
キラの視線の先に、一体なにが見えているのかなんて……
「美夕は、おとなしく先輩に抱かれればいいのよ」
一筋の涙があたしの頬に伝った。
「だから、これはおまじない。あたしと美夕がこれからもずっと親友でいられますように。ソラが私だけのソラに戻ってくれますように──」
そう言うとキラは、ナイフの先端を更に自分の喉元に押し当てた。
狂ってる。
目の前にいるあたしの親友は、狂ってる──。
静かな口調で。
穏やかな表情で。
「美夕が幸せになるんならって、美夕のこと、必死にあきらめようとしているの。……大丈夫よ、ソラのことは私がちゃーんと支えるから。だから美夕はもう余計なことをしないで?」
キラの目は確かにあたしに向けられているはずなのに、決してその視線はあたしのそれとは交わらない。
「明日の朝になったら、きっとみんな笑ってる。だから、ね──」
キラは、どこか遠くを見ていた。
だけど、あたしには分からない。
キラの視線の先に、一体なにが見えているのかなんて……
「美夕は、おとなしく先輩に抱かれればいいのよ」
一筋の涙があたしの頬に伝った。
「だから、これはおまじない。あたしと美夕がこれからもずっと親友でいられますように。ソラが私だけのソラに戻ってくれますように──」
そう言うとキラは、ナイフの先端を更に自分の喉元に押し当てた。
狂ってる。
目の前にいるあたしの親友は、狂ってる──。