ウソ★スキ
あたしは先輩の顔を見ることが出来なくて、俯いたまま、黙って首を横に振った。
「キラちゃんと、何かあったんだ?」
「いえ……大丈夫です」
先輩の温かい手があたしの頬に触れ、涙の跡を包み込む。
「こんなにしっかり涙の跡が残ってるのに」
先輩の声も、手も、あまりにも温かすぎて。
あたしの視界はまた涙で滲む。
美夕ちゃんのウソつき──。
先輩は、わざとからかうように、そう言ってくれた。
──どうしよう。
「いいよ、言いたくないことは聞かない。だから一度、部屋に帰ろう?」
そう言うと、先輩はあたしの返事を待たずにあたしの手をぐいっと引っ張った。
──先輩。
あたしに優しくしないで。
もう、あたしなんかに優しくしないで……。
「外はもう真っ暗だったよ──それでね」
外の様子を話しながら、
少し強引に、あたしの手を握って目の前を歩く先輩──
あたしはその手を、どうしても離すことが出来なかった。
「キラちゃんと、何かあったんだ?」
「いえ……大丈夫です」
先輩の温かい手があたしの頬に触れ、涙の跡を包み込む。
「こんなにしっかり涙の跡が残ってるのに」
先輩の声も、手も、あまりにも温かすぎて。
あたしの視界はまた涙で滲む。
美夕ちゃんのウソつき──。
先輩は、わざとからかうように、そう言ってくれた。
──どうしよう。
「いいよ、言いたくないことは聞かない。だから一度、部屋に帰ろう?」
そう言うと、先輩はあたしの返事を待たずにあたしの手をぐいっと引っ張った。
──先輩。
あたしに優しくしないで。
もう、あたしなんかに優しくしないで……。
「外はもう真っ暗だったよ──それでね」
外の様子を話しながら、
少し強引に、あたしの手を握って目の前を歩く先輩──
あたしはその手を、どうしても離すことが出来なかった。