ウソ★スキ
好きだから
部屋の鍵を開けると、先輩はあたしを先に部屋の中へ通してくれた。
少しためらいながらもあたしが数歩進むと、後ろから
「ドアは開けておくよ」
っていう先輩の声。
その声に振り返ってみると、先輩は入り口に屈みこんで、開けたままのドアが動いて閉まらないように、ドアストッパーで固定してくれているところだった。
「だから安心して。ほら、早くあっちに行って座ろう?」
先輩はあたしの肩を抱くと、奥へ進み、あたしを片側のベッドに座らせてくれた。
そして自分は、もうひとつのベッドに、あたしに向き合うように座る。
「キラちゃんと何かあったんだよね? ……俺には言えないこと?」
膝の上に肘をついて。
あたしの顔を覗き込みながら。
先輩はどこまでも優しかった。
「何もない、なんてウソついてもバレてるからね。美夕ちゃんのこと、こう見えてもよく分かってるつもりなんだから」
先輩は一呼吸置いて、続けた。
「──ソラのことだよね?」
『ソラ』って言う言葉を聞いただけで、あたしの肩がびくっと震える。
どうしよう……。
だけど先輩には隠し通せる気がしなくて、
ううん、隠しちゃいけない気がして、
あたしは黙ってうなずいた。
少しためらいながらもあたしが数歩進むと、後ろから
「ドアは開けておくよ」
っていう先輩の声。
その声に振り返ってみると、先輩は入り口に屈みこんで、開けたままのドアが動いて閉まらないように、ドアストッパーで固定してくれているところだった。
「だから安心して。ほら、早くあっちに行って座ろう?」
先輩はあたしの肩を抱くと、奥へ進み、あたしを片側のベッドに座らせてくれた。
そして自分は、もうひとつのベッドに、あたしに向き合うように座る。
「キラちゃんと何かあったんだよね? ……俺には言えないこと?」
膝の上に肘をついて。
あたしの顔を覗き込みながら。
先輩はどこまでも優しかった。
「何もない、なんてウソついてもバレてるからね。美夕ちゃんのこと、こう見えてもよく分かってるつもりなんだから」
先輩は一呼吸置いて、続けた。
「──ソラのことだよね?」
『ソラ』って言う言葉を聞いただけで、あたしの肩がびくっと震える。
どうしよう……。
だけど先輩には隠し通せる気がしなくて、
ううん、隠しちゃいけない気がして、
あたしは黙ってうなずいた。