ウソ★スキ
階段を一段一段下りながら、考える。


……あたし、明日の朝、どんな顔をしてキラと会えばいいんだろう?

きっとキラはいつもどおりの親友の顔で、あたしに声をかけてくるはずだ。

「美夕おはよう! 昨日はどうだった?」

って。


キラは、あたしと先輩が別々の部屋で過ごしたって聞いたら、どんな反応をするんだろう?

それでもやっぱり、笑っているのかな──



さっき、あたしは泣きながら、先輩にキラとの出来事を全て打ち明けた。


あたしはソラが好きだということ、

キラはそのことをずっと前から知っていて、あたしにソラを諦めさせるために「ウソの告白」を計画したこと、

それなのに、ソラが思いがけずあたしの言葉に振り向いてしまったこと、

あたしたちの様子を探るために、苑ちゃんまで利用したこと。


そして、あの「おまじない」──



先輩は黙って話を聞いた後、

「キラちゃんには、俺と一緒に過ごしたって言えばいいよ」

って言ってくれたけど。




──でも。



< 352 / 667 >

この作品をシェア

pagetop