ウソ★スキ
「次は、どうしようか? そう簡単にソラが落ちるとは思えないけど」


キラは何も言わなかった。

そしてあたしも。



『あたしがキラにならない限り、ソラの気持ちは変わらないと思う』

そう言いかけて、途中でやめた。




……なんでだろう?


心のどこかで、「キラじゃないとダメ」っていう事実を認めたくなかったのかも知れない。




あたし、どんなに頑張ってもキラにはなれないもん。


ううん、なりたくない。

あたしは、あたし。

あたし自身を、ソラに見て欲しいのに。




黙ったまま、そんなことを考えていたあたしのことを、


ソラと同じ顔をしたキラが不思議そうに見ていた。





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