ウソ★スキ
今までずっとあたしが必死に押さえつけていた想いは、一度口に出すと止まらなくなって。

あたしはパジャマの裾を力いっぱい握り締めて、

泣きながら、震えながら、必死にソラに語り続けた。


「あたしだって、いっぱい苦しんだんだよ?……先輩が大事にしてくれるのがすごく嬉しかったし……そんな先輩のこと、本当に、一番大好きになれるって思ってたし……」

ソラはあたしの目をまっすぐに見つめて「うん」って頷ずきながら、話を聞いてくれていた。

「それに、キラは大事な親友で……そんなキラがソラを好きな気持ちも、痛いくらい分かってて……」

「……うん」

「だから、自分だけが幸せになろうとしちゃいけないって思って……何度も何度も、ソラのこと諦めようとしたんだよ?」

「……うん」


「だけど、あたし……それでもね、あたし……それでも、ソラのことがね……」


その後は嗚咽で、言葉にならなかった。



あたしの話を聞いているうちに、ソラの瞳も涙で潤んで。

それを見てしまうと、胸がいっぱいで。



たった一言、

「ソラが好き」

そう言うだけなのに。




あたしはもう、何も言えなくなってしまった。





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