ウソ★スキ
「美夕、やっぱり知らなかったんだ?」
「うん……」
「キラは、夜1人じゃ眠れないんだよ」
──初耳だった。
だって、今まで何度も夏のキャンプや修学旅行で一緒に夜を過ごしたし、
お互いの家に泊まりに行ったことだってあるのに。
あたし、何も気付かなかった。
小学生のころからずっと親友だと思っていたのに。
あたしの知っているキラは、いつも明るくて、自信に満ち溢れていて。
そんな弱い部分を持っていたなんて、思いもしなかった……。
「あたし、キラのことを本当に何も分かっていなかったんだ──」
あたしが落ち込んだのを察したのか、ソラが優しくフォローを入れてくれる。
「美夕が気にすることはないよ。キラはあの通り、自分の弱いところを人にさらけ出せないヤツだから。だからきっと、美夕の前では無理してたんだと思う」
「……うん」
ソラは神妙な口調で続けた。
「美夕に聞いて欲しいことがあるんだ。俺とキラの話……聞いてくれる?」
そして。
あたしが小さく「うん」と呟くと、
ソラは、あたしの知らないソラとキラの話を、ぽつりぽつりと語り始めた。
「夜になると、今でもキラは泣くんだ。『鬼が出る』って……」
「うん……」
「キラは、夜1人じゃ眠れないんだよ」
──初耳だった。
だって、今まで何度も夏のキャンプや修学旅行で一緒に夜を過ごしたし、
お互いの家に泊まりに行ったことだってあるのに。
あたし、何も気付かなかった。
小学生のころからずっと親友だと思っていたのに。
あたしの知っているキラは、いつも明るくて、自信に満ち溢れていて。
そんな弱い部分を持っていたなんて、思いもしなかった……。
「あたし、キラのことを本当に何も分かっていなかったんだ──」
あたしが落ち込んだのを察したのか、ソラが優しくフォローを入れてくれる。
「美夕が気にすることはないよ。キラはあの通り、自分の弱いところを人にさらけ出せないヤツだから。だからきっと、美夕の前では無理してたんだと思う」
「……うん」
ソラは神妙な口調で続けた。
「美夕に聞いて欲しいことがあるんだ。俺とキラの話……聞いてくれる?」
そして。
あたしが小さく「うん」と呟くと、
ソラは、あたしの知らないソラとキラの話を、ぽつりぽつりと語り始めた。
「夜になると、今でもキラは泣くんだ。『鬼が出る』って……」