ウソ★スキ
「──子供だけの夜って、めちゃくちゃ怖くて、長いんだ」
時計の音だけが大きく鳴り響く部屋で、双子は肩を寄せ合って夜を過ごしてきた。
「時計の音が怖くてテレビをつけてみたんだけど、テレビの音で他の物音が何も聞こえなくなるのはもっと怖かった。だから、結局テレビはすぐに切った」
微かな物音にも驚いて、
家の外を誰かが歩くたびに「またあの男が来るかも知れない」って脅えて。
「台風、停電、病気……。ヨリねーちゃんはなにかあったら夜遅くてもいいから遠慮せずに電話しろって言ってくれたけれど、結局俺たちは、一度もねーちゃんに助けを求められなかった」
──2人でいる方が、まだましだ。
ソラは吐き捨てるようにそう呟いた。
まだ小学生だったのに。
キラとソラは、そうやって、どんな夜も2人で乗り越えてきたんだ──。
「その頃から、俺たちは一緒の布団で寝るようになったんだ。キラは毎晩、恐怖で激しく体を震わせていて、俺はその震えを何とかして止めてやりたくて、キラを力一杯抱きしめながら寝たんだ……」
そうして双子は、毎晩、疲れ果てた頃にやっと眠りにつくことが出来た。
だけど時折、朝方まで寝付けないこともあって。
そんな時2人は、両親が帰宅する物音を聞いて、ようやく安心して目を閉じることができたという。
その頃にはもう夜が明けて、外は明るくなっていたけれど──
時計の音だけが大きく鳴り響く部屋で、双子は肩を寄せ合って夜を過ごしてきた。
「時計の音が怖くてテレビをつけてみたんだけど、テレビの音で他の物音が何も聞こえなくなるのはもっと怖かった。だから、結局テレビはすぐに切った」
微かな物音にも驚いて、
家の外を誰かが歩くたびに「またあの男が来るかも知れない」って脅えて。
「台風、停電、病気……。ヨリねーちゃんはなにかあったら夜遅くてもいいから遠慮せずに電話しろって言ってくれたけれど、結局俺たちは、一度もねーちゃんに助けを求められなかった」
──2人でいる方が、まだましだ。
ソラは吐き捨てるようにそう呟いた。
まだ小学生だったのに。
キラとソラは、そうやって、どんな夜も2人で乗り越えてきたんだ──。
「その頃から、俺たちは一緒の布団で寝るようになったんだ。キラは毎晩、恐怖で激しく体を震わせていて、俺はその震えを何とかして止めてやりたくて、キラを力一杯抱きしめながら寝たんだ……」
そうして双子は、毎晩、疲れ果てた頃にやっと眠りにつくことが出来た。
だけど時折、朝方まで寝付けないこともあって。
そんな時2人は、両親が帰宅する物音を聞いて、ようやく安心して目を閉じることができたという。
その頃にはもう夜が明けて、外は明るくなっていたけれど──