ウソ★スキ
ソラは、泣きじゃくるあたしを自分の方へ抱き寄せた。

ソラの胸にぴたりとくっついたあたしの頬。
ソラのジャージに、あたしの涙がどんどん吸い込まれていく。


「俺は、美夕を苦しめるためにキラのことを話したわけじゃないんだ。……だから、お願いだから、自分を責めて泣かないで」

あたしは、ソラの背中に震える手を回した。

そして、泣きながら、ソラの言葉に何度も小さく頷きながら、ぎゅっとジャージを握りしめた。



「お互い、これ以上自分の気持ちに嘘をつき続けても、キラや先輩を傷つけるだけだ」

「でも……!」

「美夕、聞いて? キラはこれからもずっと俺の大事な姉貴だ。決して関係が無くなる訳じゃない。……だから大丈夫、キラは絶対に大丈夫だから──」


ソラが、小さな声で言った。


「──だからお願いだ。俺のそばにいて」




ペンションは、もう目の前だった──。





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