ウソ★スキ
ペンションの部屋から漏れる明かりが、あたしたちの姿をはっきりと照らし出していた。
もう、ペンションの入り口は数メートル先まで迫っていた。
「ねえ、ソラ。ひとつ聞いていい?」
「何?」
「……あたしなんて、どこにでもいるような平凡な女なのに……どうしてあたしなの?」
ほんの少しの間が空いた後、ソラが笑う。
「美夕はどこにでもいる奴とは違うよ。……俺、美夕を好きになる前から『こいつ、天使じゃないのか?』って本気で思ってたんだから」
──天使?
「……あたしが?」
「そう、キラともよく言ってたんだ。美夕は、真っ暗闇の中、出口のない迷路を彷徨う俺たちの足元を照らしてくれる天使だよな、って」
「……何よ、それ」
全く想像していなかった「天使」なんていう単語に、あたしは耳までかぁっと赤くなった。
「意味わかんないよ……」
「本当に美夕には感謝してるんだ。俺とキラの秘密を、何年も、誰にも言わずにずーっと1人で抱え込んでくれてたんだよな……」
「そんな……あたしは別に何も……」
「美夕が俺たちのそばにいてくれたから、俺たちは救われたんだ。ありがとう、美夕」
──ありがとう。
そう言われることが、こんなに嬉しいなんて……。
その言葉は、さっきからゆるみっぱなしのあたしの涙腺を更に刺激する。
「どういたしましてっ!」
あたしは涙声を張り上げると、
ソラの胸から顔を上げて、再びペンションに向かい歩き始めた。
もう、ペンションの入り口は数メートル先まで迫っていた。
「ねえ、ソラ。ひとつ聞いていい?」
「何?」
「……あたしなんて、どこにでもいるような平凡な女なのに……どうしてあたしなの?」
ほんの少しの間が空いた後、ソラが笑う。
「美夕はどこにでもいる奴とは違うよ。……俺、美夕を好きになる前から『こいつ、天使じゃないのか?』って本気で思ってたんだから」
──天使?
「……あたしが?」
「そう、キラともよく言ってたんだ。美夕は、真っ暗闇の中、出口のない迷路を彷徨う俺たちの足元を照らしてくれる天使だよな、って」
「……何よ、それ」
全く想像していなかった「天使」なんていう単語に、あたしは耳までかぁっと赤くなった。
「意味わかんないよ……」
「本当に美夕には感謝してるんだ。俺とキラの秘密を、何年も、誰にも言わずにずーっと1人で抱え込んでくれてたんだよな……」
「そんな……あたしは別に何も……」
「美夕が俺たちのそばにいてくれたから、俺たちは救われたんだ。ありがとう、美夕」
──ありがとう。
そう言われることが、こんなに嬉しいなんて……。
その言葉は、さっきからゆるみっぱなしのあたしの涙腺を更に刺激する。
「どういたしましてっ!」
あたしは涙声を張り上げると、
ソラの胸から顔を上げて、再びペンションに向かい歩き始めた。