ウソ★スキ
バスに揺られること20分。

バスはまず、あたしとキラが通う女子校の前に着く。


「じゃーね、ソラ」


ソラが通っているのはもう少し先の共学の進学校。

あたしたちはソラを残して先にバスを降りる。


「ああ、またなー」

ソラは、キラに手を振りながらそう言ったあと、

まるでついでみたいな言い方で、私にも言う。


「美夕も。 またなー」


ホントは、美夕「も」っていうのが気に入らない。


でも、あたしはそれでも嬉しくて、

「うん、またね」

って返事をしながら、ソラのすぐ横を通って降車ドアへ向かう。


狭い通路だから、一瞬、ソラの腕や胸があたしの体に触れる。


……そのたびに、あたしはドキッとするんだ。

そして祈らずにはいられない。


「このドキドキが、どうかソラにばれませんように」って。






< 4 / 667 >

この作品をシェア

pagetop