ウソ★スキ
そして、キラの部屋に入ろうとしたとき、

中からソラの声が聞こえた。


「……いいだろ?」

「ダメだよ、美夕がいるもん」


キラはクスクス笑ってる。


「美夕は一度マンガ読み始めたら、当分あそこから出てこないじゃん」

「そうだけど……ちょっとソラ、やめて……」

「いやだ、やめない。キラが欲しい」

「もうっ…………」



それっきり、声がしなくなった。


……かと思うと、布が擦れる音。

そして、ベッドがギィって軋む音。



あたしは、その場から動けずにいた。




目の前のドアの向こうから、

あたしがそれまで聞いたことの無い、


キラの小さな、小さな喘ぎ声が漏れてきた。



< 40 / 667 >

この作品をシェア

pagetop