ウソ★スキ
キラの行方
2階から、ソラの声が聞こえてくる。
「キラ、どこだ!? 返事をしろ!」
ソラは自分たちの部屋を飛び出すと、次に隣の部屋へ移動したみたいで。
入り口のドア、部屋の中のバスの扉、クローゼット……
それらを次々に乱暴に開け閉めする音が、階段を伝って下まで響いてきた。
あたしは玄関に佇んだまま、その音をじっと聞いていた。
さっきまで、あんなにしっかりと手を繋いでくれていたのに。
あたしのすぐ隣に、確かにソラの温もりを感じていたのに。
そんな後だから余計に、ソラのいなくなった空間が寂しかった。
──だけど。
今はそれよりもキラのことだ。
そう思って気持ちを切り替えようとするけれど、あたしの頭は、キラのことを考えることを拒否しているような気がした。
だって、あたしが最後に見たキラは、自分の体に刃を向けていて……。
あれが単なる悪ふざけだったなんて思えない……。
──ダメだ。
どうしても、悪い方向に考えてしまう……。
「キラ、どこだ!? 返事をしろ!」
ソラは自分たちの部屋を飛び出すと、次に隣の部屋へ移動したみたいで。
入り口のドア、部屋の中のバスの扉、クローゼット……
それらを次々に乱暴に開け閉めする音が、階段を伝って下まで響いてきた。
あたしは玄関に佇んだまま、その音をじっと聞いていた。
さっきまで、あんなにしっかりと手を繋いでくれていたのに。
あたしのすぐ隣に、確かにソラの温もりを感じていたのに。
そんな後だから余計に、ソラのいなくなった空間が寂しかった。
──だけど。
今はそれよりもキラのことだ。
そう思って気持ちを切り替えようとするけれど、あたしの頭は、キラのことを考えることを拒否しているような気がした。
だって、あたしが最後に見たキラは、自分の体に刃を向けていて……。
あれが単なる悪ふざけだったなんて思えない……。
──ダメだ。
どうしても、悪い方向に考えてしまう……。