ウソ★スキ
だけど、その後。
「ムカつく」
先輩は、確かにそう呟いた。
そう呟いて、階段の下から大きな声でソラを呼んだ。
「ソラ! キラちゃんは外だ、下りてこい!」
2階からは何の物音もしない。
キラを探すソラの声は、もう聞こえなくなっていた。
「……俺、諦めないからね」
先輩は階上を見上げたまま言った。
「美夕ちゃんのこと、まだ諦めない」
「……先輩?」
先輩は階段の手すりを握って、あたしに背中を向けたまま、更に続けた。
「だって美夕ちゃん、今にも泣きそうな顔して……そんな美夕ちゃんのこと、黙って見ていられないんだ」
手すりを掴む先輩の手に、ぐっと力が込められた気がした。
「俺は、美夕ちゃんにそんな顔をさせるために身を引こうとしたわけじゃないんだ。……それに、このソラの態度は何なんだよ。簡単に美夕ちゃんの手を離しやがって」
「だって、それは!」
あたしは声を荒げた。
「……それは、今、こんな状況だから……仕方ないです」
だけど、その言葉は、だんだん小さくなっていった。
「ムカつく」
先輩は、確かにそう呟いた。
そう呟いて、階段の下から大きな声でソラを呼んだ。
「ソラ! キラちゃんは外だ、下りてこい!」
2階からは何の物音もしない。
キラを探すソラの声は、もう聞こえなくなっていた。
「……俺、諦めないからね」
先輩は階上を見上げたまま言った。
「美夕ちゃんのこと、まだ諦めない」
「……先輩?」
先輩は階段の手すりを握って、あたしに背中を向けたまま、更に続けた。
「だって美夕ちゃん、今にも泣きそうな顔して……そんな美夕ちゃんのこと、黙って見ていられないんだ」
手すりを掴む先輩の手に、ぐっと力が込められた気がした。
「俺は、美夕ちゃんにそんな顔をさせるために身を引こうとしたわけじゃないんだ。……それに、このソラの態度は何なんだよ。簡単に美夕ちゃんの手を離しやがって」
「だって、それは!」
あたしは声を荒げた。
「……それは、今、こんな状況だから……仕方ないです」
だけど、その言葉は、だんだん小さくなっていった。