ウソ★スキ
最初は押し殺すようだったキラの喘ぎ声は、次第に大きくなっていく。


そしてそんなキラの声と同調するような、ソラの激しい息遣いも聞こえてきた。



「もっと声出したら? ……キラ、美夕がうちにいるときのほうが……燃えるんだろ?」


あたしはドアから一歩下がった。


「……ソラ……ソラ…………愛してるっ……!」


キラの声は、あたしがどれだけ部屋から離れても、ずっとずっとあたしの耳に響き続けた。



書斎に逃げ帰っても、

耳をふさいでも。



さっきのキラの声が消えてくれない。




あたし、なんでこんなとこにいるんだろう?

なにしてるんだろう?




あたしは、泣きながら、

手に持っていたマンガを本棚に向かって投げつけた。




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