ウソ★スキ
──ウソだ。
あたし、そんなこと言ってない!
それは口には出さなかったあたしの心の叫びだったけれど、先輩に伝わってしまったみたいで。
先輩があたしの方を向いて「分かってるよ」って軽く頷いてくれた。
そんな仕草が、優しい笑顔が、あたしの胸を締め付ける。
「そんなことを、『先にシャワー使う? それとも一緒に入る?』なんて楽しそうに言われて……俺、もう、限界だったんだ」
キラがそう言う光景が、ありありと目に浮かぶ……。
それが辛くて、あたしはぎゅっと目をつぶった。
そんなことしても、何の意味もないって言うのに。
「俺、外で先輩に殴られてからずっとイライラしてた。美夕と先輩が2人で同じ部屋にいるって考えただけで、どうしようもなくムカついて……。もうこれ以上、自分にも、キラにも、誰にも、嘘を吐きたくなかった。だから俺、その時初めてキラに言ったんだ」
ソラがゆっくりと顔を上げる。
周りをぐるっと見回したあと、ようやく入り口にいるあたしの姿を見つけたソラは、こっちをまっすぐに向いて言った。
「美夕が誰を好きでも構わない、俺は美夕が好きだ。……キラは大事な姉貴で、それはこれからもずっと変わらない……って」
その言葉に、先輩は、大きなため息を吐きながら天井を見上げた。
あたし、そんなこと言ってない!
それは口には出さなかったあたしの心の叫びだったけれど、先輩に伝わってしまったみたいで。
先輩があたしの方を向いて「分かってるよ」って軽く頷いてくれた。
そんな仕草が、優しい笑顔が、あたしの胸を締め付ける。
「そんなことを、『先にシャワー使う? それとも一緒に入る?』なんて楽しそうに言われて……俺、もう、限界だったんだ」
キラがそう言う光景が、ありありと目に浮かぶ……。
それが辛くて、あたしはぎゅっと目をつぶった。
そんなことしても、何の意味もないって言うのに。
「俺、外で先輩に殴られてからずっとイライラしてた。美夕と先輩が2人で同じ部屋にいるって考えただけで、どうしようもなくムカついて……。もうこれ以上、自分にも、キラにも、誰にも、嘘を吐きたくなかった。だから俺、その時初めてキラに言ったんだ」
ソラがゆっくりと顔を上げる。
周りをぐるっと見回したあと、ようやく入り口にいるあたしの姿を見つけたソラは、こっちをまっすぐに向いて言った。
「美夕が誰を好きでも構わない、俺は美夕が好きだ。……キラは大事な姉貴で、それはこれからもずっと変わらない……って」
その言葉に、先輩は、大きなため息を吐きながら天井を見上げた。