ウソ★スキ
キラがあたしを迎えに書斎へ入ってきたときは、もう夜になっていた。


「美夕ー、まだ読んでるの?」

キラの晴れやかな顔がドアの隙間から見える。


「……ごめん、もう帰る時間だね。これ読み終わったらおしまいにするから」


本当は、マンガなんて読んでなかった。

キラの足音を聞いて、あわてて一番近くにあったマンガを手に取っただけだった。



だけど、あたしはマンガを読んでいるフリを続けた。



「ねえ美夕、帰る前にちょっと話せる?」

「なあに?」

「うん……次の作戦、一緒に考えない?」



「……分かった。あとでね」



あたしが本から目を離さずにそう言うと、

キラは先に自分の部屋へと帰っていった。





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