ウソ★スキ
──そのとき。
「美夕!」
聞き慣れた声に自分の名前を呼ばれて、あたしははっと我に返った。
そうだ。
あたし、バスを待ってたんだ……。
だけど、そこに立っていたのはソラ1人だけだった。
「おはよう」
ソラは浮かない顔をしていた。
「……キラは?」
ソラは、肩にかけていたカバンをベンチに投げ出した。
どすんと鈍い音がして、見るからに脆そうな背もたれのついたベンチがグラッと揺れる。
「駄目。出て来る気配、全くなし」
ソラは、あたしの目の前に立ったまま、バスが来る方向を見つめていた。
「じゃあ、家に帰ってから、まだ一度もキラの顔を見てないの?」
「ああ」
「キラ……学校、休むつもりなのかな?」
「多分ね」
キラ、学校休むんだ……。
そのことに、どこかでホッとしている自分がいた。
でも、そうやってずっと逃げ続けるわけにはいかないってことはよく分かっている。
「ねえ、ソラ。あたし、放課後キラに会いに行ってもいいかな?」
「いいけど……この調子だと会えるかどうか分からないぞ?」
「いいの。声かけるだけでも」
「美夕!」
聞き慣れた声に自分の名前を呼ばれて、あたしははっと我に返った。
そうだ。
あたし、バスを待ってたんだ……。
だけど、そこに立っていたのはソラ1人だけだった。
「おはよう」
ソラは浮かない顔をしていた。
「……キラは?」
ソラは、肩にかけていたカバンをベンチに投げ出した。
どすんと鈍い音がして、見るからに脆そうな背もたれのついたベンチがグラッと揺れる。
「駄目。出て来る気配、全くなし」
ソラは、あたしの目の前に立ったまま、バスが来る方向を見つめていた。
「じゃあ、家に帰ってから、まだ一度もキラの顔を見てないの?」
「ああ」
「キラ……学校、休むつもりなのかな?」
「多分ね」
キラ、学校休むんだ……。
そのことに、どこかでホッとしている自分がいた。
でも、そうやってずっと逃げ続けるわけにはいかないってことはよく分かっている。
「ねえ、ソラ。あたし、放課後キラに会いに行ってもいいかな?」
「いいけど……この調子だと会えるかどうか分からないぞ?」
「いいの。声かけるだけでも」