ウソ★スキ
次の日の朝は、前日よりも更に早く家を出た。

考え事をしながらゆっくり歩いたつもりだったけれど、それでもバス停には30分以上早く着いてしまった。

バス停にはあたしたちが毎日乗るバスの1本前のバスが停まっていた。


どうしよう。
2人を待たずに、このバスに乗ってしまおうか……。


──本当は、ソラと顔を合わせるのが憂鬱だった。

ソラと一緒にいたいのに、一緒にいると苦しい──。



次々と乗客を吸い込むバスを遠目に眺めながら、あたしは走ってそのバスに駆け込みたい衝動を必死に抑えた。

だって、ここでソラから逃げちゃったら、あたしたちはそのまま終わってしまいそうな気がして。


あたしは、バス停の手前で足を止めると、そのバスが出発するのをじっと見送った。




そしていつもの時間。

ようやくバス停にソラが現れた。

だけど今日も、ソラの隣にキラの姿はなかった。


「……キラは?」

「相変わらず。引きこもったままだよ」

「でも、昨日話があるって言ってたのに……。あれから話、しなかったの?」

「あぁ……あれはただ俺と美夕の邪魔をしたかっただけだろ」


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